未知の素材を研究し、新製品を生み出していく研究のおもしろさ 未知の素材を研究し、新製品を生み出していく研究のおもしろさ VOICE SCROLL

浦 哲郎TETSURO URA

技術開発課
1995年、長崎県生まれ。近畿大学で分析科学研究室に所属し、物質の素材や特性について研究。現在の職場は、飯塚。
趣味はスポーツ観戦。特に好きなのは野球。休日は友人とオンラインゲームで遊ぶことも。

素材のポテンシャルを引き出して
新たな強みや魅力を製品化したい

出身は長崎ですが、大学が福岡県・飯塚で、福岡のまちに魅力を感じて就職を希望しました。大学では物質の素材や特性を掘り下げ、どんなアプローチをすれば効率的に反応するかなど、素材にスポットを当てた研究をしてきました。私がやってきたのは化学的な分野でしたが、今の仕事では物理の要素が強く、「社会人になってから苦手な物理を勉強する羽目になるとは!」と一時焦りました(笑)。
幸い、少人数のチームでもあるので先輩や上司の胸を借りて少しずつ成長させてもらっています。自社製品で多く使われるレジンコンクリートは、入社するまでほとんど知りませんでした。軽量で耐久性が高く、プラスチックとコンクリートのいいところを組み合わせたような素材なんです。奥が深くて勉強は大変ですが、新しい知識をどんどん吸収できるおもしろさがあって研究者冥利に尽きます。業界内でもまだあまり知られていない素材なので、今後もこの素材のポテンシャルを引き出して、新しい製品をつくったり、まだ見ぬ強みを発見していくのが個人・組織両面での目標です。

前例がないからこそ自由がある
まちの課題を解決する糸口に

就活時は、こんなにおもしろい研究職に就けるとは思っていなくて、正直「営業は向いていないだろうな」「関東よりは九州がいいな」と消去法で選んだ部分もありました。でも、実際に入ってみると、「仮説を立てて、実験・検証を重ねて、結果からまた新たな可能性を見出す」というこれまでやってきた研究が生かせる部分もありました。自社の看板商品に関わり、責任ある仕事なので、細部まで配慮を重ねるのは大変です。でも、未知の素材だからこそ、前例に縛られずにアイデアが生かせるし、先が見えないワクワク感があります。
私はまだいちばん若く、ひよっ子ですが、いずれはレジンコンクリートのプロフェッショナルになりたいです。今後の研究次第では、活用の幅や機会が増えて、腐食による道路陥没を防いだり、水路やマンホールなどまちのインフラの強度を上げ、既存の素材が持つ弱点やリスクを回避できるかもしれません。素材で社会をどんな風に良くしていけるか、研究者としての手腕が問われつつも成長できる環境を楽しんでいます。